「新宿バルト9」10周年に庵野秀明登壇

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 「新宿バルト9」(新宿区新宿3TEL 03-5369-4955)が、今年2月に開館10年を迎え、さまざまな記念イベントを開催。その中の一つ、317日に行われた一日限定のオリジナル企画「庵野秀明の、極私的TV特撮ヒーロー(主題歌等)史集」は、チケットが販売されるやすぐに完売。予定していた時間を遥かに上回る4時間半近いイベントに、約400人のファンが集まった。

 同館は2007年、日本で初めて館内の9シアターすべてのスクリーンに、デジタルシネマプロジェクターを設置したシネマコンプレックスとして開館した。映画作品以外にも、「劇団☆新感線」の舞台をスクリーンで楽しめる「ゲキ×シネ」や、ライブビューイング、観客が声を出して楽しめる「応援上映」など積極的に上映を続けてきた。

支配人の島田さんは「数年前からアニメーション作品にも力を入れてきた。当館で上映するからと来てくれるファンが増えたり、より良い作品が上映できるようになったりと、特色の一つになってきたのでは。記念イベントはこの10年を支えてくださったお客様に特に喜んでもらえるものを考えた」と話す。

 庵野さんが、アニメ・特撮研究家の氷川竜介さんと対談した同イベントは、2014年に行われ非常に好評だった『アンノ・ヒカワの、昭和TVマンガ主題歌史集』に続き実現した企画。同館を共同運営するティ・ジョイの小川さんは「2012年、庵野総監督による『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を世界に先がけ全スクリーンで一斉上映した際には、聖地化するほど人が集まり盛り上がりを見せた」と振り返る。「昨年は庵野さんが脚本、総監督を手掛けた映画『シン・ゴジラ』も話題になり、10周年に際しぜひイベントをお願いできたらと相談した」とも。

 庵野さん自ら、1960年代〜2010年代にかけて放映されたテレビの特撮ヒーロー作品のオープニング、エンディング映像などをリストアップ。子供の頃に観ていたという「サンダーバード」や「ウルトラマン」をはじめ、「キャプテンウルトラ」「ジャイアントロボ」「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」「愛の戦士レインボーマン」「仮面ライダー」シリーズなど80本に上る作品を、約2時間にわたり抜粋上映した。

 対談は、特撮の技術や子供の頃好きだったシーンなど、思い出話や解説を交え再び映像を振り返りながら行われた。「会場全体はすぐにアットホームな雰囲気になり、一体感を感じた」と島田さん。

 小川さんも「庵野さんと同世代の男性が比較的多かった。テレビ画面で見ていたシーンが、大きなスクリーンに写されることで迫力もあったし、何よりあれだけの人数が一緒に見ることで、懐かしい気持ちなどを参加者同士、共有できたのでは」と話す。「この日だけの特別な上映に、普段聞けないような話も多く、『知る人ぞ知る』ある意味当館らしいイベントになったのでは」とも。まさに「バルト9」の10周年を飾るにふさわしい激レアイベントとなった。

 庵野さんは「アニメーションや特撮作品の関連資料のアーカイブ活動も進めている。これまでの功績や特撮に使われるミニチュアなどの技術を残していけたら」と話し、氷川さんも「特撮映像の文化向上にもつながれば」と語った。

 関連リンク 
「新宿バルト9」http://kinezo.jp/pc/wald9