吉田昌平さんの作品集「新宿(コラージュ)」発売
森山大道さんの写真集「新宿」を丸ごと1冊素材に

2017.07.18

 新宿の「BEAMS JAPAN(ビームス ジャパン)」(新宿区新宿3-32-6)5階の「B GALLERY(ビー ギャラリー)」(TEL 03-5368-7309)で519日より、吉田昌平さんの初の展覧会が開催され、作品集「Shinjuku(Collage)」が一般書店に先駆けて販売された。
 吉田さんは、写真家・森山大道さんが2002年に出版した写真集「新宿」を丸ごと一冊解体、全てのページを素材として使いコラージュ作品を制作。同作品集には全128点がまとめられている。
 デザイン事務所を経て、「白い立体」として独立した吉田さんは、カタログや書籍のデザイン、展覧会ビジュアルのアートディレクションなどを手掛ける傍ら、アーティストとしてコラージュ作品を多く制作、発表してきた。
 グラフィックを勉強していた20歳頃から始めたといい、「誰かが使っていた本などをもらったり拾ってきたり、ポストに入っていたチラシなど『人や時間』が感じられるようなものを素材に、日々の気持ちやその時々の一瞬をコラージュしてきた」と話す。
 森山さんの写真を初めてコラージュするきっかけとなったのは、2016年に発行された雑誌「BRUTUS」の「森山大道と作る写真特集」。吉田さんは、依頼を受けた付録のタブロイドのデザインをする中で、森山さんがモロッコで撮影した写真をコラージュしたという。
 「過去の作品を見てくださっていた編集の方が声をかけてくださった。まさか森山さんの写真をコラージュすることになるとは思わなかったが、考えるより見た瞬間に切ったり貼ったりできる強烈な写真に、もう少し別の形でコラージュを続けて行きたいという気持ちが湧いた」と吉田さん。
 その後、森山さん本人了承の下、吉田さんにとっても身近だった場所を写した「新宿」を題材に、約1ヵ間作品づくりに取り組み完成させた。
 「いろいろな素材を使わず、森山さんの写真だけをコラージュするという制作はシンプルな分、より直感的に思いつくまま貼ることができた」と吉田さん。真っ白な箱入りの装丁も自ら手掛け、「もともとあった写真集を解体し、新たに生まれた作品を束ねたので、そこにいい意味でデザインはいらないのではないかと思い、『つかみ本』のようなイメージでデザインした」とも。
 発行は、numabooksでシリアルナンバー入り。価格は5,800円(税別)
 関連リンク 
「新宿(コラージュ)」http://numabooks.com/shinjukucollage.html

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