スウェーデンらしさと新宿らしさのハイブリッド「IKEA新宿」
すべての人に「自分らしい暮らし」を

2021.06.29

スウェーデン発祥のホームファニシングカンパニー イケアの日本法人イケア・ジャパン株式会社が51日、「IKEA新宿」をオープンした。歌舞伎町エリアからも近い、明治通りと甲州街道が交わる交差点の角、JR新宿駅から徒歩5分の好立地だ。
都市部へ進出を続けるイケアだが、新宿店はシティショップ(都心型店舗)として原宿店、渋谷店に続く都内3店舗目の出店、国内では13番目の店舗となる。

「IKEA新宿」外観「IKEA新宿」外観

同店マーケットマネジャーの青木エリナさんは今回の出店について「乗降客数も多く、また多種多様な方が住んでいる新宿という土地は、ダイバーシティという観点からも、環境にも人にも地球にも優しい企業でありたいと願う当社の価値観と合っています。もともと出店の候補地として挙げていましたが、『より快適な毎日を、より多くの方々に』と掲げるビジョンの通り、さまざまな方の暮らしを快適にするお手伝いができればと考えました」と話す。

店内の様子店内の様子

IKEA新宿」は、地下1階から地上3階まで、家の間取りに合わせたフロアで構成される。地下1階にはキッチンまわりと、クッキング用品、テーブル小物、フード収納などを展開、1階は小物雑貨コーナーのほか、サステナビリティ(持続可能性)に特化した展示品などの新中古品をアウトレット価格で提供するサーキュラーショップを併設する。2階はリビングルームをメインに、ダイニング、オフィス、照明やインテリア雑貨、3階ではベッドルームを中心にマットレス、寝具、カーテン、ワードローブ、収納小物、子ども用品、バス用品を並べる。

右から青木エリナさん、スウェーデン大使 ペールエリック・ヘーグベリさん、イケア・ジャパン代表取締役社長 兼 Chief Sustainability Officer ヘレン・フォン・ライスさん、カントリーフード マネージャー 佐川季由さん右から青木エリナさん、スウェーデン大使 ペールエリック・ヘーグベリさん、イケア・ジャパン代表取締役社長 兼 Chief Sustainability Officer ヘレン・フォン・ライスさん、カントリーフード マネージャー 佐川季由さん

シングルマザー世帯や同性カップル、国籍の違うカップルの部屋など、店内に展開する異なるライフスタイルの6つのルームセットにも新宿らしさがうかがえる。青木さんは「イケアではすべての店舗で『ホームビジット』と呼ぶマーケット調査を行っています。そのマーケットエリアに住んでいる方を公募して実際に家に伺わせていただくのですが、部屋を全部見せてもらいながら気に入っているところ、こだわり、困っている部分などをさまざまにヒアリングします。イケアの特徴であるルームセットはこの取り組みを元に、どのような人が住んでいるか、年齢や趣味などかなり詳細なプロファイルを作り込み、そこからどういった暮らしのニーズがあるかを考えひとつひとつ組み立てています」と話す。

デジタルサイネージに、住んでいる人をイメージした写真などを映し、暮らしの提案を行うデジタルサイネージに、住んでいる人をイメージした写真などを映し、暮らしの提案を行う

「ホームビジットを通して個人的な感想ではありますが、新宿に対するイメージに比べて、思った以上にお子さんのいらっしゃる家庭が多いことに驚きました。誰もが自分らしく過ごせる暮らしをイメージしたり、ホームファニシングの楽しさを感じたりしてもらえたらと思います」と青木さん。

オープンに先立ち制作したというキービジュアルも印象的だ。新宿の街の風景の多様さを象徴するように、小さい店が立ち並ぶ飲屋街、高層ビル街、緑あふれる公園をロケ地とし、「仲間と笑う新宿」「自由に仕事する新宿」「夕食を楽しむ新宿」をテーマに、家のリビングやワークスペースシーン、ダイニングシーンなどのイメージを切り取っている。青木さんは「新宿の歴史を辿りながら、新宿はどういう街なのか、その新宿の街にイケアとしてどう溶け込んでいきたいだろうかと考え、街に根付いた店舗になっていければという思いを込めて制作しました」と振り返る。

IKEA新宿店」にはテイクアウト専門で量り売りのデリメニューなどを提供する、日本初の「スウェーデン バイツ」も併設されている。カントリーフードマネジャーの佐川季由さんは「昨今のニューノーマルでテイクアウト需要が高まっています。また都心型店舗の限られたスペースで、より多くの方にさまざまなスウェーデンフードを伝えたいという思いから、今回の新しい業態がスタートしました」と説明する。

伝統的北欧料理として知られる「ディルマヨ和えシュリンプポテトサラダ」には、持続可能な漁業で取られた水産物に与えられるMSC(海洋管理協議会)の認証を受けたエビを使い、現地でよく食べられる「サーモンマリネ」にはASC(水産養殖管理協議会)の認証を取得したサーモンを使うなど、サステナブルなメニューも多く並ぶ。
「プラントベースラザニア」のミートソースや、ラグーソースのついた「ベジボール」、8種類以上のスパイスを使ったキーマカレー、ツンブロード(ラップサンド)に野菜とともに巻かれたソーセージなどはどれも植物由来で、フレキシタリアン(セミ・ベジタリアン)にも対応している。

新宿限定メニューも新宿限定メニューも

7カ国130人のスタッフが勤務する「IKEA新宿」は、暮らし方やどういう物を選び買うのかなど、スウェーデンという国の文化や価値観を体現する場所にもなっている。リモートワークの普及などとともに自宅で過ごす時間が多くなり、暮らしを見つめ直す人も多くなっている今、「IKEA新宿」はさまざまな生活のアイディアに触れられる場所の一つと言えるかもしれない。

関連URL
IKEA新宿
https://www.ikea.com/jp/ja/stores/shinjuku/
東京都新宿区新宿3-1-13京王新宿追分ビルB1F-3F
営業時間:緊急事態宣言発令中は11時〜20時(解除後は21時までを予定)

Editorial department / 本文中の本アイコンは、
歌舞伎町文化新聞編集部の略称アイコンです。

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