ワニやカンガルー、珍しいジビエが堪能できる
新宿肉バル「新宿肉区 パンとサーカス」

2019.12.23

カンガルー、ダチョウ、ラクダにエミュー…。これらはすべて「新宿肉区 パンとサーカス」のメニューに並ぶ肉だ。2013年12月、新宿3丁目の雑居ビル4階にオープンした同店は、ジビエなどほかではなかなか食べることができない肉をワインと楽しめるレストランとして注目を集めている。

運営する亜細亜TokyoWorld株式会社(新宿区)は、ゴールデン街にオープンしたショットバー「ゴールデンダスト」を皮切りに、2011年にジビエ専門店「獣肉酒家 米とサーカス」を高田馬場にオープンした。広報を担当する宮下慧さんは、「ジビエと言えばフレンチのイメージがあるなど、まだそれほど流行っていない頃に鹿肉などをもっと庶民的に食べてもらえたらと和食居酒屋の雰囲気で始めた。みなさんに好評だったので、次にレストラン(洋食)タイプの肉バルとして新宿に出店したのが『パンとサーカス』だった」と振り返る。

ウズラの丸ごと揚げ

ウズラの丸ごと揚げ

「ゴールデン街の店のママさんに鹿肉を食べさせてもらった時、焼いただけなのにとても美味しかったことがきっかけ。北海道などで害獣として駆除されている背景もあり、広く提供できたらと考えた」とも。

店名は古代ローマの愚民政策を形容した言葉に由来する。「民衆に『パン』(食料)と『サーカス』(エンターテインメント)を与えておけば、政治など社会に対して盲目になるという、元はあまりいいイメージの言葉ではないが、私たちは美味しい食事と楽しさ、その二つを基軸に追求していけたらという思いを込めてつけた」と宮下さん。

名物!グリル獣肉盛り

名物!グリル獣肉盛り

メインとなるメニューは「名物!グリル獣肉盛り」(3,0007,000円)で、鴨、鹿、カンガルーの3種盛り、ダチョウ、ウズラを加えた5種盛り、さらにウサギと猪を加えた7種盛りから選べる。11月から2月の狩猟解禁期間には限定で「エゾ鹿、猪、熊、穴熊」の4種類を食べ比べできる「国産ジビエグリル4種盛り」も用意し、若い女性からのオーダーも多いという。「鹿をお願いしていた猟師さんから、熊や猪なども手に入るとお話いただき、食材がどんどん広がっていった。初めての方も盛り合わせから気軽に楽しんでもらえたら」と宮下さん。

ワニ手羽のコンフィ

ワニ手羽のコンフィ

ほかにサラダやパスタなどとともに、オーストラリア産のラクダやダチョウのグリル、エミューのカルパッチョ、トドのルイベ、鹿カツ、鱗がついた手の部分まで食べられるワニ手羽のコンフィ、フランスでは高級食材の一種でもあるカラスの丸ごとロースト(要予約)、グルヌイユ(蛙)のフリットなどがずらりと並ぶ。「特にカンガルーはおすすめ。あらゆる食材の中で、体作りのための『共役リノール酸』を最も多く含んでいて、脂肪分も低く、体脂肪燃焼と筋肉増強効果などが期待できる。牛の赤身に似て、調理もいろいろアレンジできる」と宮下さん。

エレベーターを降りた瞬間に広がる、赤やゴールドのネオンに彩られた店内も、メニューとともに独特な世界観を作り上げている。「実は店作りの際に、『近未来の廃工場で肉屋が始めた肉料理店』というストーリーを考えていて、『ブレードランナー』や『AKIRA』『12モンキーズ』といった映画からもインスピレーションを受け、工場っぽさ、近未来感を意識して内装を造った」と宮下さん。

肉バルでありながら、10月から12月末にかけて、大豆やエンドウ豆などの植物から作られた「フェイクミート」を提供する「本物の肉?フェイクミート・フェア」も開催している。「地球環境への負荷も低い植物から作られた肉を、牛肉などの『代替え品』としてではなく、新しい味覚の肉として味わっていただき、より多くの方に知ってもらいたいと思った。肉好きな人とベジタリアンが共に食事を楽しめたら」と宮下さん。ハンバーガーやフェイクツナを使ったタルタル、大豆ベースのハムや豆乳を発酵させて作ったチーズの盛り合わせなどを用意するほか、ヒヨコ豆にコオロギパウダーを混ぜて作ったミートボールも。

「『米とサーカス』でも扱っている昆虫食はフェイクミート同様、注目を集めているサスティナブルな食材。食の選択肢を増やすことで、食事を楽しんでもらいながら、環境への配慮にも取り組んでいけたら」と期待を込める。

ウサギと人参のクリームパスタ

ウサギと人参のクリームパスタ

店内では定期的に猟師とともに、鹿などを解体する教室などイベントも行う。「近年、猟師になりたい方も多く、レクチャーや解体体験にもみなさん参加していただいている。新宿は多種多様な人が混ざり合ってカオスのようだが、人間味を感じる。当店もジビエというメニューを大事にしていきながら、人間同士が語り合えるような店であれたら。近未来なイメージもある店なので、最先端の食材の提供をはじめ、実験の場としても活用していけたら」と意気込みを見せる。

 関連リンク 
「新宿肉区 パンとサーカス」 東京都新宿区新宿3-3-7三慶ビル4F
ランチ=1130分~15(土日祝日のみ)、ディナー=17時~24時。
https://miyashitakikaku.com/store/pancircus/

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