写真とカメラにまつわるライフスタイルを提案
カメラの聖地新宿に 「新宿 北村写真機店」 誕生

2020.08.31

携帯電話にカメラ機能が加わったことで、これまでカメラにあまり縁がなかった人も日々手軽に写真を撮ったり、日常のちょっとしたシーンを記録したりするようになったのではないだろうか。
そんな風に写真を楽しむ人から、写真とカメラをこよなく愛する人、海外からの観光客まであらゆる人に向けて「新しい写真の楽しみ方」を提案する空間が誕生した。73日、新宿の東口エリアにオープンした「新宿 北村写真機店」だ。写真にまつわるさまざまなニーズに応えるコンテンツを、地下1階から地上6階まで全7フロアに揃える。

運営する株式会社キタムラは1934(昭和9)年、高知県で「キタムラ写真機店」を創業。現在全国に「カメラのキタムラ」を706店、こども写真館「スタジオマリオ」を360店、Apple製品の修理サポートを65店展開する。プリント、フォトブックでは市場シェア1位、新品カメラ・中古カメラジャンルでも2位の占有率を誇る。

旗艦店ともいうべき新宿店のオープンについて、社長の浜田宏幸さんは「当社は創業以来、大切な人との時間、大切な場所での一度きりの記憶を思い出として残し、絆をつくり感動を伝えることができる写真の可能性を信じ、その楽しみ方を提供してきた。新宿というカメラの聖地にカメラが魅力的に見える空間を作り、写真好きはもちろん、初心者の方にもカメラでなければ撮れない写真の世界に一歩踏み出してもらえたらと考えた」と話す。

開放感あるガラス張りの回転扉を抜けた先に広がる1階は、パリを拠点に活躍するアーティスト、フィリップ・ワイズベッカーさんのデッサン作品とコラボしたトートバッグなどのオリジナルグッズ、トイカメラ、カメラ雑貨などを並べるほか、新宿の街並みを写真ジオラマで再現した「新宿写真」を設置する。

1階。「写真の背景になるような空間にふさわしいのでは」(米谷さん)と、館全体はニュートラルなライトグレーを基調とし、エントランスも白とグレーでまとめている。

1階。「写真の背景になるような空間にふさわしいのでは」(米谷さん)と、館全体はニュートラルなライトグレーを基調とし、エントランスも白とグレーでまとめている。 

写真ジオラマ「新宿写真」。「店まで歩きながら眺めてきた街が小さな模型として目の前に現れたら、おもしろいのでは」(谷川さん)<br>「1000分の1なので、つい夢中になって見てしまうという良さが、カメラの良さとリンクする」(米谷さん)

写真ジオラマ「新宿写真」。「店まで歩きながら眺めてきた街が小さな模型として目の前に現れたら、おもしろいのでは」(谷川さん)
「1000分の1なので、つい夢中になって見てしまうという良さが、カメラの良さとリンクする」(米谷さん)

2階は新品カメラフロアで、市場にあるほぼ全てをラインアップする。3階は写真プリントコーナー、写真集・デザイン・インテリアなど約800冊を並べるブックラウンジ、スターバックスコーヒー。4階には約6,000点を超える中古カメラが並ぶ。

中へと誘うトンネルのような内装設計の2階

中へと誘うトンネルのような内装設計の2階

頭上に本棚が広がる。木目を基調としたくつろぎを感じさせる3階のブックラウンジエリア

頭上に本棚が広がる。木目を基調としたくつろぎを感じさせる3階のブックラウンジエリア

4階、幅広く取ったガラスケースに並ぶ中古カメラ。カメラ好きには圧巻の品揃え

4階、幅広く取ったガラスケースに並ぶ中古カメラ。カメラ好きには圧巻の品揃え

5階は中古買い取りスペースのほか、修理、レンタル、証明写真ブースを設ける。6階はイベントスペース、撮影スタジオと、専門コンシェルジュを配し1920年代から現代のものまで100種類を超えるヴィンテージカメラ、60種類を超える新品ライカを展開するラウンジを設ける。地下1階ではApple製品修理を引き受ける。

預けたカメラがどのようにメンテナンスされているか確認できる安心・安全のガラス張り設計の5階。カメラの塗装を変えるなどのカスタマイズサービスも行う

預けたカメラがどのようにメンテナンスされているか確認できる安心・安全のガラス張り設計の5階。カメラの塗装を変えるなどのカスタマイズサービスも行う

6階ラウンジのカウンターにはヒノキの無垢材を使う。カメラ生産のシェア率も高い日本ならではの技術力、上質感を表現

6階ラウンジのカウンターにはヒノキの無垢材を使う。カメラ生産のシェア率も高い日本ならではの技術力、上質感を表現

コンセプチュアルカメラマン濱田祐史さんの作品を配置した階段フォトアート。上階の壁面につながる巨大な作品。川にLEDの光を流し、川の流れを視覚化したもので空間そのものを体験してもらえたらと設置された

コンセプチュアルカメラマン濱田祐史さんの作品を配置した階段フォトアート。上階の壁面につながる巨大な作品。川にLEDの光を流し、川の流れを視覚化したもので空間そのものを体験してもらえたらと設置された

コンセプトデザインを担当したCCCクリエイティブ株式会社 CEOの谷川じゅんじさんは「『世界一のカメラストア・写真機を通じた豊かなフォトライフの提案』を切り口に、店内のさまざまな場所で新しい発見、感動に出会えるような空間づくりに注力した。全体のモチーフは写真機の原点である『カメラ・オブスクラ(暗い部屋の意味)』で、多層階にわたる空間をつなぎながら、ボーダーレス・ジェンダーレス・エイジレスと、どんな年代の方にもそれぞれに楽しい時間、空間を提供できるような、自分なりのこだわりどころを見つけられるような構成を考えた。まさに『日本のカメラ』の世界観を世界に向け体現するようなお店になったのではないかと思います」と振り返る。

内装設計を手掛けたTONERICO:INC. アートディレクターの米谷ひろしさんも「写真機が美しく映えること」、写真を撮りたくなるような「絵になり背景となること」、細かい部分にこだわりつつも、新品から中古まで写真機を手にする際の「安心感・信頼感」の3つを大切に、空間をイメージしたという。

ロゴ、サイン計画はグラフィックデザイナーの木住野彰悟さん(株式会社6D-K)が手掛けた。ロゴは全体モチーフと同様、カメラ・オブスクラの外から通る光のラインから着想し、キタムラのKと合わせデザインされている。

「大切な瞬間を残す、その起点になるカメラと出会いに、店に行ってみたいなと思うような人が世界中に増えてくれたらいいなと思っています」と谷川さん。

同新宿店の館長を務める白川雅也さんは「新品カメラから中古カメラ、修理まで扱うサステナブルな空間でもある。世界でカメラが買える場所は香港か新宿と言われているほど。一眼レフカメラの実に99%が日本製ということもあり、まさに日本で、この新宿で、写真と写真の楽しみに出会ってもらえたら」と期待を込める。

Photo by Satoshi Asakawa (写真ジオラマ除く)

 関連リンク 
新宿 北村写真機店
東京都新宿区新宿3-26-14 TEL 03-5361-8300
営業時間:10時〜22時(カフェは8時〜23時)
https://www.kitamuracamera.jp/

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